盆休みの間に母方の祖父母が遊びに来てくれて、例によって一段と喋るようになった。休みの間にちゃんとリフレッシュできたみたいで、毎朝の保育室への送りの時も以前のように元気にバイバイが言えるようになった。甘えたの太郎もかわいいけど、朝の忙しい時はさっさとしてくれると助かる。
さて、その忙しい朝は起きる所から始まるわけだが、太郎の寝起きはいい時はむちゃくちゃいいけどダメな時(普段)は全然ダメで、寝ている太郎を起こすのはなかなか大変なのだ。元々保育所で鍛えられているから周りがうるさいくらいではまず目を覚まさない。耳元で目覚まし時計が鳴り続けていようが大声で呼ぼうがピクリとも動かない。太郎の父親は寝起きだけはいいので、これは母親譲りだと思う。その母親に言わすと、目は開かないけどちゃんと周りの音は聞こえていて、状況もそれなりに把握できているらしい。試しにこの間起こす時、「太郎、朝やで。起きるか?」と声をかけてみると頭が少し動いた。見ようによっては首を横に振っているようにも見える。そこで続けて「まだ眠いんか?もっと寝るんか?」と聞いてみると、今度ははっきりと首を縦に振りやがった。ちゃんと聞こえとるがな。さっさと起きんかい。そういえば、一度朝いつものように起きろー、寝るのー、とやっていた時に窓の前の車が出勤で出て行ったことがある。車のエンジンが始動するのを聞いた途端、それまでうだうだしていた太郎が突然ムクッと起きあがって窓際に走り寄り、「あ、くるま。しゅっぱつするかな、しゅっぱつしたね」と喋りだしたことがあった。
そこで、今朝は試しに相変わらず眠りこけている太郎に「あ、太郎、車。出発するで」と声をかけてみた。効果覿面。飛び起きて窓際に走って来やがった。それはもう、とても寝起きとは思えないしっかりした足取りで。起きようと思ったら起きれるんやんけ。何が「眠いのー」やねん。車を見ることができずに不服そうな太郎にちゃんと台所の母親におはようを言いに行くように言いつけ、トイレに行って戻ってみたら何事もなかったかのように起きる前と同じ位置、姿勢で眠りこけてやがった。こらー!