ゆうべ、お風呂の中でのこと。何の話をしていたか忘れてしまったが、太郎が何か小さな嘘をついた。「なんで嘘つくねん。アカンやろ。嘘つきは泥棒の始まりやで。太郎、泥棒か?」とたしなめると、早くも泣き声になって「たろうくん、どろぼうとちがう」と言っている。お、こいつ泥棒って何か知ってるんか?もうちょっと虐めてみようと、「嘘つくのは泥棒や!太郎は泥棒や!」と言ってみると、ベソをかきながら「ちがうもん。たろうくん、どろぼうとちがうもん。だってほら、足もしかくくないでしょ」
足?四角?やっぱり何か勘違いしてる。こうなると何で嘘をついていたかはどうでもよくなって、たろうの「どろぼう」が一体何なのかどうしても知りたくなるのが人情というもの。「ほら、太郎やっぱり泥棒や。泥棒の手してる」「ちがうもん。たろうくんのおてて、しかくくないもん」どうやら手(腕?)も四角いらしい。「泥棒、手と足が四角いんか?お腹は?」「おなかはちょっとまるい。たろうくん、どろぼうとちがう。にんげんやもん」手足が四角くて、腹は丸くて、人間ではないもの。太郎の好きな非人間系キャラクタと言えば動物、物の怪、お化け、ゾンビなんかだが、いずれにせよあまり四角張ったものはない。以下、太郎の脈絡のない証言から得られた情報を列挙する。
・顔は四角くて目は丸い
・口はがぁーってなって牙はない
・人間を食べることはない
・ガー、ガー、ガーって動いてバーンってする(暴れるらしい)
お分かりだろうか。正解はロボットだった。泥棒とロボット、まぁ似てると言えば似てないこともない。お腹が丸いってのが今ひとつよく分からんけど、ま、そういうロボットもあるんだろう。毎度毎度、笑わせてくれる。
ちなみに、太郎は今なお泥棒が何なのか知らないままである。