ある週末の朝

投稿者: | 2005年9月29日

KDDIの光プラスTVでニコロデオン(Nickeldeon)という子供向けアニメチャンネルを観られるようになってから、土日の朝はBlue’s Clues、Dora the Explorer、Little Billの3本(いずれも30分番組)を立続けに観るのが(早起きした時限定の)習慣になりつつあります。全てアメリカ産の番組で、英語と日本語吹替えのバイリンガルで放送されています。前の2つは以前から輸入VTR等で親しんでいたこともあってそのまま英語で観て(聴いて)います。最後のLittle Billに関しては初めから日本語吹替えしか知らず、他の2つと違って言葉遊び的要素もないので何となく吹替えで観ています。
ある日、いつものようにDoraが終わってLittle Billが始まった時、たまたま両親とも手が離せなくてバイリンガルの切替ができませんでした。太郎はまだ自分ではできません。普段なら「ねえ、おとーさん、にほんごにしてー」とでも言ってくるのですが、このところ横柄になってきている4歳児はいきなりこう宣ったのです。
「もうっ、にほんごにせなあかんやろ!(怒)」
そうか、そら悪かった…ってちょっと待て太郎。何でお父さん、怒られなあかんねん。そんなにダメか?ダメ親父か?学士しかないくせに大学入ってから出るまで10年もかかったからか?いつまでも給料安いからか?伊豆半島のことを房総半島と思ってたからか?薀蓄って漢字で書けないからか?もっとずっと簡単な漢字も知らなかったりするからか?危険物取扱乙種四類の試験に2回も落ちたからか?いつもオヤジギャグばっかり言ってるからか?オナラしたのに黙ってたからか?
何だか自分のダメさ加減を再確認して悲しくなりますが、それはそれとして太郎には口の聞き方というものを教えなければいけません。両親揃って説教しましたが、そこは素直になれないお年頃、泣きながらも強情に自分の非を認めようとしません。不毛なやり取りの末、「そんな子はウチの子と違う」「ウチの子やもん」「出て行き」「いやや。びえ~ん」という展開になり、母親が無理やり抱き上げて玄関の方へ連れて行こうとしました。両手を振り回して必死に抵抗する太郎。暴れる中、母親の前髪を引っ掴んで数本まとめてブチッと引き抜きました。動きが止まる母。手に残った髪の毛に気付いて「マズイ」という顔をする太郎。さぁどうする。(既に傍観者になっている父。しかもビデオを用意する隙を覗っていたりする。やっぱダメかも)
次の瞬間、蚊の鳴くような声で太郎はこう言いました。「しろいかみのけやったから、ぬいた」
謝ることより、とっさに考えたでまかせの言い訳を選びました。白髪だったから、抜いたと。嘘の程度はともかくとして、考える間もなく一瞬で口から出任せが出てくることに感心…じゃなくて少なからぬショックを受けた父でした。
当然ながら嘘をついたことについて更に叱られ、泣きじゃくりながら最後に太郎は言いました。「たろうくん、おなかペコペコ」
そういや起きてから1時間、何も食べさせてません。そら、機嫌も悪くなるわな、親も子も。

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