(注)文中、グロテスクな表現があります。お食事前に読むのはお勧めできません。それにしても、このIMEは何で「おしょくじまえ」を「汚職自前」とか変換しますか。
今年度に入ってから、太郎は一度も保育園を病欠したことがなかった。1歳半で保育所に行きだした頃は毎週のように熱を出していたのが嘘のようだ、年齢と共に強くなるものだ、というようなことを先週保育園の連絡帳に書いたばかりである。その、週末。
日曜日のこと。午前中から少し熱っぽかったのが気にはなっていたが、元気にしていたし、いつものように寝れば治ると軽く考えていた。夕方出かける用事があり、迷ったのだが太郎が行きたがったので一緒に車で連れて行くことにした。普段は短い距離であっても必ずチャイルドシートに座ってベルトを締めるようにしているのだが、少し調子が悪そうだったのでリアシートで母が抱くことにした。それも悪かったのかもしれない。熱はそんなに高くなっていないようだが、どんどん元気がなくなった。帰りに買い物に寄ったスーパーでは父と駐車場の車中で待っていることにする。
うとうとしながらも寝ることができず、少しグズりかけたその時、横になって上を向いた状態のまま突然嘔吐した。顔半分と側頭部が瞬時にゲロまみれになる。すぐに身体を起こしてとりあえず呼吸を確保する。そのまま座った状態で続けて嘔吐。リアシートがゲロ溜りになっていくのを為す術もなく見守る。全部吐いてしまうとすっきりしたらしく、少し元気な顔になる。が、気持ち悪いのですぐに泣き出した。手近にあったタオルケットや父の着ていた服で顔と手を拭いてやる。密閉した車内に臭気が篭り出したのでドアを開放する。買い物中の母親はまだ帰って来そうになく、地下駐車場では携帯電話の電波も届かない。太郎をなだめつつ、何とか始末に着手する。幸いボックスティッシュが十分にあったので、ビニール袋を一つ空けてティッシュで拭ったブツを入れていく。隣の車に帰ってきた親子連れが臭いに気付いてこちらを見る。状況は一目瞭然だろう。父親が憐れむような視線を残しつつ去っていった。そうするうちに、果てしなく広がるかに見えたブツも何とか始末がついた。太郎が不安がるので、母親を呼びに行くことにする。つまり、表面上は拭い取ったものの、ちょっと残っていたり染み込んだりして派手に臭気を発している太郎を抱いて、歩いて行くということだ。もっとも、父の服は既にかなりの返りゲロを浴びているので今更気にすることでもない。太郎は胃腸の丈夫な子で、赤ちゃんの頃から滅多に吐くということがなかった。その滅多にない機会にゲロにまみれるのは何故か決まって父である。ちなみに、お腹をこわした時はゲロだけでなく(以下自主規制)
周囲を気にしつつ電波の届く所まで行き、母親に電話する。ちょうど買い物も終わったところですぐに帰宅。母親が太郎を風呂に入れている間に、父は車の掃除をする。ちょっと位は臭いが残るかも知れないが、致し方あるまい。太郎は相変わらず熱は高くないが、胃が全く物を受け付けない。頭痛がするらしく、「おでこがいたい」と言って泣く。多分、頭痛というのも始めての経験だろう。スポーツドリンクを買ってきて与えたが、それも夜中に吐いてしまった。この時も上を向いたまま嘔吐。しかも直後に父が身体を起こしてやるまで気付かず寝ていた。気道が詰まればさすがに起きるとは思うが、少し恐ろしい。ちなみに、隣で寝ていた母親は吐いた音には気付かなかったらしい。
翌月曜日。当然病欠である。熱は相変わらず平熱+1.5℃程度。午前中に小児科を受診。少し心配したおたふく風邪ではなく、通常の風邪とのこと。胃腸に来るタイプらしいが、胃のレベルでブロックするため胃が一切の活動を中止して腸を守っているらしい。こういう場合、吐いた直後にはたとえ水分だけでも与えてはいけないらしい。吐き気を抑える座薬と、抗生物質、胃薬を処方される。夕方まで一切摂取できなかった場合は点滴が必要とのことだった。実際、午後にも吐いたのだが、直前にヤクルトを冷たいまま一気飲みしたためだろうと判断して点滴は受けず。重湯を作り、時間を開けて2回に分けて少しずつ摂らせる。これで丸一日以上の空腹感が少し人心地ついたようで、いきなり元気になった。頭痛も治まったらしい。ちなみに、この頭痛は脱水症状が原因だろうとのこと。その後、嘔吐はなし。
火曜日。熱は平熱に下がる。保育園は休ませた。元気もあり、念のためおかゆにしたご飯もしっかり食べた。見た目は普段と全く変わらない。その代わり、前日べったり一緒だった母親が寝込んでしまった。吐き気はないものの、酷い頭痛がして全身の節々が痛いという。こちらは栄養摂取に支障がなかったため、午後には元気になった。太郎は一日中元気いっぱい。食事も、前日の食いっぱぐれを取り戻すかのような勢いで食べていた。
以上が今年度初の病欠の顛末である。ま、太郎も母も大したことなくてよかった。ちなみに、車の臭いは昨日の時点で、運転席にいる限り全く分からない。乾く前に徹底的に洗ったのが良かったのだろうか。近いうちにウチに遊びに来てくれるつもりの方は、どうか安心して頂きたい。