確率

投稿者: | 2006年1月17日

あることを1回行って、望む結果が出る確率を0.2としてみよう。平均して5回に1回、望む結果が得られることになる。では、とにかく1回だけ望む結果が出ればよいものとして、何回くらいトライすればよいのか考えてみよう。
結論から言えば、期待値は5回だ。これは感覚的に分かりやすいと思う。では、5回以内(5回を含む)に望む結果を得られる確率はどれくらいだろう。これは、5回トライして1回も結果が出ない確率を考えればよい。1回の試行で結果が得られない確率は 1-0.2=0.8 である。したがって、5回試行して1回も望む結果が得られない確率は 0.8^5(0.8の5乗)ということになる。これは約0.33なので、5回の試行でどれか1回でも望む結果が得られる確率は 1-0.33=0.67、67%ということになる。これは直感より高くないだろうか。
こうして計算してみると、4回目までに結果が得られる確率は59%、3回目までに得られる確率が48.8%となり、ほぼ半分の確率で3回目までに結果が得られることになる。一方、10回試行しても一度も望む結果が得られない確率は11%であり、これも以外に高いと感じるのではないだろうか。
ちなみに、自然災害等の規模をあらわすときに使う何年に1度、というのも期待値ベースである。100年に1度の大地震が今後70年以内に起こる確率は51%であり、100年経っても起こらない可能性は37%である。
先の問題に戻って、期待値というのは(回数)×(その回数で望む結果が出る確率)を1回目、2回目、と出してやって、それらの総和を取ることで求められる。この場合、回数を無限大に多くすると確率は限りなく小さくはなるが決してゼロにはならない。この総和は、回数を無限に大きくしていくとちゃんと1つの値に近づいていく(収束する、という)のだ。その値は、もちろん5である。無限級数の和の公式とか何とか、昔習った筈だが覚えているわけもなく、Excelでだーっと並べて計算してみたら40回までの合計で4.994くらいまで収束したので多分間違っていないと思う。

別に深い意味はないのだが、女性の排卵周期1回につき、妊娠する可能性は20~30%だそうだ。子供を望む夫婦がしかるべき努力をして、それでも1年間妊娠しなければどちらか(多くの場合男性)の不妊を疑う、というのをどこかで読んだ。この、1年ってどういう根拠なのかな、と思ってちょっと計算してみた。ただそんだけ。

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