電話連絡

投稿者: | 2006年5月9日

昨日、夕方職場で打合せしてると携帯電話が鳴った。いや、実際には鳴らずに震えた。席を外せなかったので応答せずに着信を見ると、家からである。普通、妻がかけてくる時は家からでも携帯でかけてくる。ちょっと不審に思ったけど、後でかけ直そうとそのままにしていた。程なく2回目のコール。再び家から。普段なら、こちらが電話に出られないと分かると緊急の用事ならメールが入る。もしかしたら、携帯電話をどこかに忘れてきたのかも知れない。何にせよ急を要することらしい。席を外し、家に電話してみた。向うもダイヤルしているらしく、なかなか繋がらない。何度目かのリダイヤルでようやく発信音が鳴り、2回ほどのコールで受話器が取られた。
「おとうさん?」
電話を取ったのは不安そうな声の太郎である。どうしたのか尋ねると、不安そうながらしっかりした声で説明を始めた。
「あのな、かおりちゃん、だいどころで、ゆびきってん。ちが、ぼたぼた~ってでてん。だから、おとうさん、はやくかえって。かいしゃのひとにも、そういって」
状況は分かった。母親に頼まれたのかもしれないが、太郎が自分で電話をかけてきたらしい。すぐに帰ると伝えて電話を切った。家の固定電話は、両親の携帯電話、両方の実家の電話番号が登録してある。短縮番号などを押さなくても、ダイヤルを回すと「おとうさん」「おばあちゃん」等と音声で登録名を読み上げ、該当のところで受話器を上げればダイヤルするようになっている。一通りの動作を太郎に何度か練習させ、最近は実家に電話する時は必ず太郎にかけさせるようにしていた。
後から確認すると、留守番電話にも同じ内容のメッセージが入っていた。帰宅してから聞けば、指から出血している母を見て自分から「おとうさんにでんわする」と言って1人で電話をかけたらしい。緊急時の連絡方法については何度も練習し、今回は母もいて落ち着いて対応できたのだろうが、初めての本番としては上出来である。母の怪我という緊急事態を受けてすぐに父に電話するという判断、更に応答できず留守番電話に繋がった時、的確なメッセージを残せたこと、そして連絡がつくまで繰り返し電話をかけ続けたこと。パーフェクトな対応と言っていいだろう。正直なところ、太郎がここまでできるとは思っていなかった。
同じクラスの他の子達に比べて随分幼い面の多い太郎だけど、それなりにしっかりしてきているようでお父さんは嬉しいのだ。

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