既に1週間前の話ですが、17日の土曜日は「土木の日」関連イベントで施工中の海底トンネルを歩く、というのに行って来ました。父の仕事柄この手のイベントにはよく行くわが家ですが、今回はボーイスカウトとしての参加です。とは言ってもスカウトは太郎一人という弱小団で単独集会(近隣の団と合同でやることもある)だったため、家族3人に隊長が加わっただけです。
現場は大阪南港の夢洲(ゆめしま)、咲洲(さきしま)という埋立地を結ぶ全長800mほどの海底トンネルで、道路と鉄道が通ることになっています。イベントは国土交通省近畿地方整備局の主催ですが、実際の運営は施工業者がやっている(やらされている)ようでした。このトンネルは比較的浅い海の底に通すトンネルとしては一般的な沈埋(ちんまい)工法という工法で造られていて、海洋土木工事を得意としているたろ父の会社も施工業者として名を連ねています。この日のイベントでも社員が駆り出されていたようで、見慣れた作業服がいっぱいで知った顔もちらほら見かけました。幸い(?)、たろ父は出向中な上に元々大阪支店では非常に影の薄い存在なので誰も気付く人はいません。
イベントとしては総延長約3kmのウォーキングがメインで、所々でクイズラリーのような形で説明を聴いた後クイズに答えていく、というものでした。あくまでも一般の人を対象としたイベントなので説明もごく簡単なもので、クイズについてもヒントと言いつつほとんど正解を教えてくれて全員が全問正答できるようにしてありました。現場に入る前に少しくらいは工事の説明があるのかと思っていたので太郎には事前にほとんど説明していなかったのですが、歩きながら幾つかポイントを説明するとそれなりに興味を覚えたらしく、随行してくれている工事関係者に質問したりもしていました。明らかに子供慣れしていなそうな、というか一般人相手の説明に慣れていないと思しきおじさんが一生懸命説明してくれていましたが、普通は小学生相手に「ここは地盤の変形に追随するための可撓(かとう)継手になってまして…」なんて言っても分からないと思います。他にも、仮設の昇降階段の段数を当てるクイズで3択問題の答えが121段だったところで、説明していた人が「ヒントです。答えはある数の平方数になっています(121は11の2乗)」とか言っていましたが、誰でも彼でもこのヒントでピンとくるわけではないと思います。
技術系に限った話ではありませんが、「専門バカ」の滑稽さを再認識させられました。たろ父も技術者の端くれとして、しっかりと反面教師にしたいと思います。