冬場は乾燥しているので静電気が起きやすいと言われています。電気が起きるというのも考えてみればおかしな話で、ここで言う「静電気が起きる」というのは多くの場合正確には「静電気の一種であるところの摩擦耐電によって帯電した人体表面から外部の金属等への火花放電が起きる」事を指していると思われます。
たろ父はこの、金属部分に触れたときにバチッと来るヤツを感じるようになったのは大人になってからです。子供の頃、下敷きをセーターで擦って髪の毛に近付けて遊んだりはしていましたが、放電で痛い思いをしたという記憶はありません。高校生くらいになって、ドアに触れたときに静電気で痛くて云々といった事を聞いたり読んだりするようになっても、「そんな人もいるんだ」という感想でした。
大学生になって車に乗るようになって、カー用品店をのぞいたりするようになった頃も静電気対策キーホルダーなんて物が売ってるのを見て自分には必要ないな、なんて思っていた記憶があるので、少なくとも20歳頃までは静電気による放電現象を経験した事がなかったようです。
ところが、いつから、というはっきりとした記憶はないのですがいつの間にかこの放電を感じるようになり、今では車のドアを閉める時に手が空いていても無意識に肘で押して閉めたりしています。最近になって気候変動の影響か何かで静電気が生じやすくなっているなんて話は聞かないので、たろ父の体の水分量か何かが加齢と共に変わってきて帯電しやすくなったか、または若い頃は面の皮…じゃなくて手の皮が厚くて鈍感だったのかどちらかでしょう。面の皮は今でも十分厚いはずです。
以前、プレハブの事務所で働いていた時、冬になると事務所入り口のドアの取っ手(何故か内側だけ)に触るたびに強烈な放電で痛い痛い思いをしていました。痛い痛いのは嫌なので色々試した結果、ドアのノブに触る直前に手前にあるスチール棚に触れてアースすれば大丈夫な事を発見しました。スチール棚に触れても放電はするので少しは痛いのですが、意識して触るというのと、なるべく接触面積を大きくする事で不意打ちで指先をバチッとやられるよりは随分マシになっていました。
当時は通勤に車を使っていたのですが、キーレスエントリーなんて物が付いていない車だったので乗る前には金属のキーを鍵穴に挿して回す必要があったので、キーをしっかり握って鍵穴の縁にキーの先で触れることでキーの先から放電して指先の痛い痛いのを回避していました。夜だと白い火花が見える事もありました。キーをしっかり握っておかないと場合によってはキーと手の間でも放電して痛い痛いのです。
さて、たろ父の今の職場はもうすぐ1年になりますが、先週くらいから執務室のドアの取っ手で痛い痛い放電が起きるようになりました。ドアの少し手前にはスチール棚があるのですが、まだ慣れていないのでドアの前まで来てから思い出し、ノブに触れるのをためらって挙動不審になってしまいます。周りを見回してもどこかでアースしている人もいないし、痛そうな顔をしている人もいません。みんな何ともないのかな。それとも、アース以外にもっと根本的な解決策があるのでしょうか。