マクロ経済学において、物価上昇率に対して一定の目標を決めてそこを狙って金融政策を行うことをインフレ目標とかインフレターゲットとか呼びますが、ここではもちろんそんな話ではありません。
我が家の冷蔵庫にはホワイトボードが付けてあって、太郎が備忘録っぽく使ったり、ちょっとした注意事項をメモしたりするのに使っています。しばらく使っていなかったのですが、ある日あまりの忘れ物の多さにこっぴどく叱られた後、太郎が何やら書き込んでいました。一応やる気だけはあるようで、やたら欲張りな目標設定をしています。尚、宿題をするというのは学童保育で済ませてくるという意味です。
そして翌日、当然のことながら目標達成など出来るはずもなく、どれ一つとして出来ないどころか更に忘れ物を増やして散々怒られたのでした。
その後もしばらく高すぎる目標を掲げては何一つ達成できないということを繰り返した後、ようやくこれでは意味がないと悟ったようで、少し方向性を変えて「友だちや、先生にほめられることをする」という目標をホワイトボードに書いたりしていました。こちらは、本人基準ではクリアできたそうです。
現実的な目標を立てるということを学んだ太郎ですが、達成しやすいように要求レベルをどんどん下げていくというデフレーションに陥ってしまいました。そんなある日のホワイトボードが下のこれです。
低過ぎだろ。しかも、これを書いた時点で翌日の宿題の1部を既に済ませていたようで、言わば100%達成可能(というか達成済み)です。
でも、多分これでいいんです。翌日、既に済ませている分とは別にちゃんとやってきました。歩みはゆっくりだけど、ちゃんと前に進んでるんです。