素数ゼミ、又は周期ゼミと呼ばれる蝉がいます。北米東部に分布し、各世代が13年または17年の周期で羽化して大量発生するのでそう呼ばれています。彼らが素数の発生周期を持つようになった理由、つまり別の見方をすれば素数の発生周期を持つ種が進化の過程で生き残った理由については諸説ありますが、結果的に他の種類の蝉や捕食者と発生周期が同期しにくく、つまり自分たちが羽化する年に他の種類の蝉や捕食者が大量に発生しているという可能性が低くなり、交雑や大量捕食のリスクが低減されています。例えば、13年周期の蝉と17年周期の蝉が同じ地域に生息していたとして、両者が同時に発生するのは13と17の最小公倍数である221年に1度だけです。化石種としては12年から18年まで色んな周期を持つ蝉が確認されているそうですが、これらの素数でない周期を持つ種、つまりより頻繁に他の種と出会ってしまう種が絶滅し、素数周期の種だけが生き残っているというのは興味深い事実です。
さて、いまたろ父の職場で1台のプリンターがドラム交換のメッセージを出しています。割と最近トナーが切れて交換したところで、トナーはまだ十分使えます。トナーとドラムは別々に交換できるようにはなっているのですが、実際のところ別々に交換するのはかなり面倒で、できれば同時に交換したいのです。今はトナーを換えてから日が浅いので無理してでもドラムだけ交換すると思いますが、これがトナーの残りがあと僅か(でもまだ使える)という状態であれば、面倒だからトナーも一緒に換えてしまえ、となるでしょう。メーカーにすれば、ユーザーがぎりぎりまで粘らずに早めにトナーなりドラムなりを換えてくれるとそれだけ売り上げが増えて嬉しいはずです。ひねくれた見方かもしれませんが、たろ父がプリンターメーカーの技術者なら、トナーとドラムの交換周期の設定はなるべく同期しないように設計すると思うのです。エコは大切だけど、売り上げはもっと大切だと、いやこれはたろ父がそう考えているんじゃなくて、メーカーの技術者ならきっとそう考えるんじゃないかな、と思うのです。