トラッカー

投稿者: | 2010年6月24日

今はどうだか知らないけど、昔は小学生の男の子の「将来なりたい職業」の中に、バスや電車の運転手さんというのが必ず入っていたように思う。大きな乗り物を操るのは何かカッコイイし、その中で比較的目にする機会の多いのが公共交通の運転士なんだろう。建設重機のオペレーターやトレーラーの運転手はもっと凄いんだけど、如何せん馴染みがないので憧れようがない。
たろ父は子供の頃自動車にはあまり興味が無く、ランボルギーニ・カウンタックの素晴らしさを熱く語る友達をどちらかと言えば冷めて見ているような子だった。ところが19歳で運転免許を取ると、車の運転が好きで好きでたまらなくなった。とにかく運転が楽しく、バイトも牛乳配達をやったりした。スポーツカーやモータースポーツもそれなりに興味を持つようになったけど、むしろトラックやバスなんかの大型車の方に魅力を感じるようになった。
毎朝の牛乳配達である程度クルマ(軽トラだけど)の運転に自信が付くと、小型トラックでの食品配送、中型トラックでの青果物市場転送、同じく中型での長距離とステップアップ(?)していった。当時一応学生の身分だったけど、学業の方はむにゃむにゃ。
「職業ドライバー」だった間にかなり無茶もしたけど事故や違反(の検挙)が無かったのはただのラッキーかもしれないけど、仕事で運転している時の集中力は半端じゃなかった、と思う。今やすっかり堕落してしまって運転中もぼんやりしてるけど、当時は前後10台程度の車の動きを常に意識しつつ、同時に積み荷の状態も意識して、いつも先を読んだ運転をしていた。薬物を使っていたわけでもないのに一種の興奮状態で、緊張状態が何時間も持続していた。余計なことは一切考えられない状態なので、電話や無線が入ると一旦走行車線に入って前の車に追随するのんびりモードになってから応答し、会話が終わると再びアドレナリン全開モードに切り替えていた。
ある時点でトラック野郎からは足を洗い、大学もどうにかこうにか卒業し、人並みに就職してサラリーマン父さんになって、クルマの運転もすっかり下手くそになった。でもいまだにバスに乗ったら運転手さんの操作をじっと見つめてしまうし、大きなトラックを見かけたらちょっと羨望を込めて運転席を見つめてしまう。いつまでも少年の心を失わないたろ父でした。(違)

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