(mixi日記に書いていたものを転載)
夏の間存在自体を忘れていたアイツに、久しぶりに再会しました。そう、静電気くんです。
静電気とは直接関係ありませんが、なぜか関連して言及されることもあるマイナスイオンについて蘊蓄をば少し。
マイナスイオンなるものは科学的な定義があやふやで、従ってその効果についても科学的な根拠はないことになっています。これはあくまでも科学のルールに従えばそうなるというだけで、だから直ちにインチキであるということではありません。
ただ、科学じゃないのに科学っぽく装っているという点で、疑似科学あるいはニセ科学と呼ばれてもしかたないのは確かです。健康への効果について広告や商品説明で言及するのは景品表示法で禁止されている(不実証広告規制)のでまともな会社は大っぴらにはやってませんが、匂わすくらいはみんなやってますよね。
ちなみに、神社のお守りにも商売繁盛とかの「効果」が表示されていますね。合理的根拠の実証なんてできないと思いますが、景表法的にどうなんでしょうか。誰か教えて下さい。
科学的なツッコミは長くなるのでブログにでも書くとして、日本以外ではどう評価されているのか興味があったので調べてみました。が、結局ほとんど何も分かりませんでした。
日本語版Wikipediaのマイナスイオンの項で「他の言語」を見ると、英語と中国語しかありません。英語の方は負の空気イオンセラピーについてで、これは1950年代にアメリカで少し流行ったそうですが、現在日本で言うマイナスイオンとは別物です。中国語の方は「負離子 (流行語)」というタイトルで、「日本的一個詞彙」つまり日本の語彙で、「科學上並沒有明確意義」つまり科学的に明確な意義(定義?)はないと説明しています。Google翻訳って便利ですね。
日本では広く信じられているけど日本以外では全然、というのでは血液型性格診断あたりが有名ですが、これは実は韓国や台湾では若い世代を中心にそこそこ人気があったりします。同じようにマイナスイオンも日本文化や日本の家電製品の影響力が強い国ではある程度人気があるのかと思っていましたが、それを裏付けるものは見つけられませんでした。英語圏については、そもそも日本で言うところの「マイナスイオン」に相当する概念がありません。
マイナスイオンを謳った商品は数多くあり、大人の事情ではっきりとは言わなくてもマイナスイオンが「何かしら良いもの」であることは暗黙の了解となっているようです。でも、どうやらそれが通用するのは世界中で日本だけのようです。