中華人民共和国の次の最高指導者に事実上確定した習近平氏の英語表記はXi Jinpingです。現主席の胡錦濤氏はHu Jintaoですね。
日本では外国固有名詞の表記は原則現地音のカタカナによる表音表記ですが、漢字文化圏は例外で元の漢字を日本語読みするのが一般的です。朝鮮半島については昔は日本語読みでしたが、北朝鮮も韓国も現在は漢字を使わなくなっているのに合わせて表音表記になり、金日成の頃は「きんにっせい」だったのに金正日はキムジョンイルになったりしています。ということで、現在は漢字を日本語読みするのは事実上中国と台湾のみになっています。
日本語と中国語の関係だけであれば特に問題ないのですが、ここに英語が入ってくるとややこしくなります。英語では当然全て表音表記ですが、中国・台湾の固有名詞が表音表記されると日本人にとっては耳慣れず、なかなかピンと来ません。今のところ色んな世界で英語が事実上の公用語になっているため、ここが分からないと色んな所で苦労します。
言語というのはアイデンティティに関わるものなので単純には解決できませんが、実用性という点からは最初から現地読み(というか、英語読み)で覚えておいた方が何かと便利ではあります。
以上は漢字文化圏についてですが、ラテン文字圏同士ではまた別の問題があります。大抵はそのままですが、少しスペルを変えてみたり、発音も表記も別物にしてしまう例もあります。ドイツはドイツ語ではDeutchlandですが、英語ではGermany、スペイン語ではAlemaniaと表記し、発音も全然違います。コペンハーゲンはデンマーク語ではKobenhavn(oは実際には/と組み合わせた文字)で、発音はクーベンハウンです。これは日本語の表記が現地語ではなく英語読みになっている珍しい例です。ウィーンやナポリなどは日本人は現地読みに親しんでいるので、英語で話している時にViennaとかNaplesとか言われると分からなかったりします。色んな事情があって、それはそれで面白かったりもするのですが。