今回は公共交通について。
公共交通を主に利用したのはアムステルダム、ロンドンとオックスフォード。アムステルダムではスキポール空港直結の鉄道駅で市内のほとんどの交通機関で使える2日間のパスを購入。後から思えば3日間にしておけばよかったけど、3日目は朝中央駅から空港に向かうだけだと思って2日券を買ったのだ。実際には泊まったホテル(と呼んでいいのか微妙な物件)が思ったより駅から遠く、駅までトラムを利用したのでそれと空港までの切符で3日券との差額を超えてしまった。
パスはペラペラの紙のカードだけどICチップが入っているようで、読み取り機にタッチする方式だった。空港駅には改札がなく、ホームに設置された読み取り機にタッチして「チェックイン」する形だったけど、気付かずそのまま乗ってしまったけど中央駅の改札は無事に出ることができた。トラムやバスはドアの近くに読み取り機があって、乗る時と降りる時にそれぞれタッチする。トラムの路線は旧市街のかなり細い道まで通っていてとても便利だった。日本の鉄道の建築限界の感覚からはかなりクリアランスが狭く、本当にぶつかりそうなギリギリの隙間で離合したり建物の脇をすり抜けたりしていた。
ちなみに、国全体が平坦な土地だけあってさすがに自転車が多く、交通ルールや道路の構造がかなり自転車を優先する形になっていた。
続いてロンドン。ロンドンの公共交通もIC乗車券が普及している。Oysterカードというプラスチックカードを自販機で購入し、チャージしてプリペイドで使う。各種のパスもあるのだけど、普通のプリペイド式でも1日の上限額が決まっていてそれ以上課金されないようになっていて、その方がお得っぽかった。なお、コンタクトレスに対応したクレジットカードがあれば同じ金額、課金システムで直接使う事ができる。チャージの残額を気にしたり、旅行者であれば使い残しの返金なども必要ないので確実にこの方が便利だろう。Apple Payにも対応している。日本ではsuicaなどのFeliCaが先行したため普及が遅く、使っている2種類のクレジットカードとも次回の切り替えでコンタクトレス対応のカードになるとのことで今回は残念ながら使えなかった。ロンドンの鉄道、チューブ(地下鉄)の駅は全て改札があって入場、出場ともタッチする必要がある。バスは乗車時だけタッチするようになっていた。バスは郊外では普通のバスも走っていたが、市内中心部は全てダブルデッカーだった。ドアが2枚のバスと3枚のバスがあって、後部にもドアがある3枚ドアのバスは全てのドアから乗車可能、前と中央だけの2枚ドアのバスは前ドアから乗車して中央ドアから降車するようだ。平面サイズの割にかなり大人数が乗れるので、輸送効率は良さそうだった。一部のバスはディーゼルハイブリッドになっていて、停車時やスタート時はエンジンを回さずインバーターの音だけで動いたりする。比較的マイルド寄りの設定なのか、走行中はほとんどエンジンが掛かっている感じだった。なお、確認したわけじゃないけどバスの変速機はATだと思う。クラッチを切っている感じがなかったし、マニュアルだとハイブリッドにはし難いはずだ。乗用車は今でもほとんどがMTなのに面白い。日本だと乗用車はほぼATで、大型商用車はほとんどMTなのと対照的だ。チューブは路線によって車輌の大きさや形状に多少のバリエーションがあるけど、トンネル断面の形状に合わせて建築限界をギリギリに攻めた半円形に近い断面形状になっている。アジア人に比べると大柄な人が多く、混んでいる車輌ではドアの近くに立っている人は窮屈そうだった。車輌にも駅構内にも冷房はなく、外は肌寒い日でもチューブは熱がこもって暑かった。車輌の屋根にパンタグラフを載せるようなスペースの余裕はもちろんなく、電源は車輌底面から取っているようだった。合理的だけど、メンテナンス時の短絡事故のリスクは高めかもしれない。
最後はオックスフォード。ロンドンからはレンタカーで行ったのだけど、オックスフォードではパーク&ライドを推奨しているので素直に従って郊外の駐車場にレンタカーを停めて市内の移動にはバスを使うことにした。ただ、市街のエリアはそれほど大きくないので徒歩で十分回れる上、特に南に抜ける道は1本しかないらしく朝夕は酷く渋滞していてあまりバスの使い勝手は良くなかった。ここでもバスは全てダブルデッカーで、料金の支払いはコンタクトレスに対応していた。コンタクトレスを使えない我々はバス会社の公式アプリでQRコードの乗車券を利用した。市内の移動にはほとんどバスを使っていないのだけど、24時間パスに比べて1回券の値段がかなり高く、2回乗ればパスの方が安かったので24時間パスを買った。バスの車内では無料のWiFiが使えるようだったけど、どうせバックボーンはLTEだろうし、スマホで直接LTEを掴んでいて容量も十分なプランで利用している環境では敢えて遅いと分かっているWiFiを使う気にはならなかった。