2019年夏の旅行、目的地はロンドンだけど特典航空券を利用した関係で関空から台北、アムステルダム経由でロンドンというやや遠回りな経路になった。せっかくなのでアムステルダムでストップオーバー、イギリスではロンドン以外にレンタカーで色々回ることにした。
この旅行についてはいくつかのトピックに分けて書いておこうとおもう。この記事ではまず通信事情について。イマドキは海外旅行中もスマホがネットに常時接続されているというのはほとんど必須だ。使っているiPhoneはSIMロックフリーと解除済みなので現地のプリペイドSIMを利用することにした。SIMロックが掛かっているとモバイルWiFiルータ等を利用することになるのだけど、接続したままで丸一日バッテリーが保つものではなく、スマホ本体も含めて充電管理がかなり面倒になる。スマホ単体で現地のモバイルネットワークに直接繋がる方が何かと便利だ。大手通信キャリアの契約であればローミングでも同じことはできるけど、ローミング料金は一昔前とは比べものにならないくらい安くなったとは言え1週間を超える旅程ではそれなりの金額になる。
今回はオランダとイギリスに滞在するので、イギリスをベースにオランダでもデータローミングができるThreeというキャリアのプリペイドSIMを利用することにした。MVNOではなく自前の通信網を持つ香港系の会社で、イギリスでは契約者数で第4位とのこと。イギリス国内およびヨーロッパ主要国のローミングエリアで30日間12GBの通信と3000分の通話が使えるというプランで、Amazonで¥2,150だった。
Amazonのレビューではローミングエリアでデータ通信ができなかったという話も散見されたけど、ほとんどが設定に関する知識不足に起因するものに思えたのでそれほど心配することなく購入。実際にはiPhoneではSIMカードを入れ替えただけで何もせず自動設定で通信できるようになった。アムステルダムではほとんどKPN Mobile(最大手)の電波を掴んでいた。
オランダでもイギリスでも、屋外では概ね4G(LTE)の電波を掴んで快適に通信できていたけど、建物の中に入ると信号が弱くなり、3Gに落ちたり圏外になることもあった。特にロンドンでは泊まったホテルの中でほとんど電波を拾わなかった。とは言え、WiFi Callingが有効になっていたのでホテルのWiFiを掴んでいる限り特に不便は感じなかった。
ロンドンでは、日本と違って地下鉄線内はもちろん、地下鉄の駅構内や地下街でもほとんど圏外だった。主要駅では大手通信キャリアが提供するWiFiが飛んでいて契約者であれば無料で利用できるそうなので、WiFi Calingもあるしそれほど不便がないのかもしれない。
公衆WiFiはかなり色んなところで提供されていて、ほとんど無料のようだった。ただし通信速度は遅めで、4Gが繋がるところでは敢えてWiFiに繋ごうとは思わなかった。今回は会社のPCも持ってきていて何度かホテルの部屋から会社のVPNに繋いだのだけど、オーバーヘッドが大きいのか通常のインターネット接続に輪を掛けて速度が遅く、仕事をするには非常にストレスの多い通信環境だった。
なお、SIMを入れ替えると当然普段使っている電話番号は着信しない。連絡を取りこぼしたくなければ、着信転送サービスを使えばよい。以前なら現地SIMの番号に転送していたところだけど、現在のように電波を掴んでいる限りデータ通信ができて容量を気にする必要もないという環境ならば050で始まるIP電話サービスに転送するようにしてもよい。通信環境によっては音質はやや劣るけど、転送に国際電話料金が掛かることもないし、転送設定のタイミングも自由度が高い(国内にいてSIMを入れ替える前から設定しておいて構わない)。電話番号に紐付いたSMSやMMSだけはどうしようもないけど、2019年現在では携帯端末のテキストベースのやり取りはほとんどLINEかメールだろう。どちらもSIMには依存しない。ちょっとした工夫で、ほとんどコストをかけることなく国内と同じような通信環境を維持できるのだ。