とある日の朝の保育園。その日は何かの都合で父だけで太郎を保育園に預けに来ていた。靴を脱いで、コートを脱いで、上履きを履いてという一連の動作がさっさと出来ず、ぐずぐずするのは毎度のこと。いつもならその後はコアラ組の部屋のある2階まで元気よく走っていくのだが、その日はどうも甘えたモードで、どうしても抱っこして欲しかったらしい。態度を見れば言われなくても分かるけど、その日はまた荷物も多くて父としては出来れば勘弁して欲しい。で、しばらく押し問答した挙げ句に太郎はこう言った。
「でも、たろうくん、ちょっとつかれちゃったから、おとうさんがだっこしてくれたら、たろうくんよろこぶ」
よろこぶて。なんでそんなに回りくどいねん。一部始終を見ていた先生が気を遣って「じゃ、先生が抱っこしてあげよ」とか言ってくれるし。えぇ、抱っこしましたよ。背中と片手に荷物全部抱えて、16kgの4歳児を片手で抱えて。重いっちゅうねん。