ヨーロッパ放浪(昔話)

投稿者: | 2011年1月27日

たまには昔話なんぞを。
たろ父が初めてヨーロッパに行ったときの話です。とあるNGO団体に参加してデンマークで半年ほど寄宿舎生活をすることになっていたのですが、1月ほど前に渡欧して少し観光することにしました。知り合いのツテを頼ってストックホルムにしばらく滞在し、その後パリにも行くことにしました。
コペンハーゲンからストックホルムまでは夜行列車で行きました。デンマークとスウェーデンは今でこそ橋でつながっていますが、当時列車はフェリーで海峡を渡っていました。大小様々な島と半島で構成されたデンマークの鉄道網は今でもあちこちにフェリーが使われていて、列車がそのまま乗り込めるレール付きのフェリーは珍しいものではありません。たろ父はそんなことは知らなかったので、知らない間に(寝てた)列車が海を越えてスウェーデンに入っているのに気付いたときはびっくりしました。
ストックホルムでは決まった宿はなかったのですが、夏だったので知り合いの車で寝たり、知り合いの知り合いがサマーハウスに行ってる間の留守宅に泊めてもらったりしてました。泊めてくれたのはシングルマザーの学生でしたが、そういう人達が親の援助とかではなく公的な支援だけで自分のアパートを持ってちゃんと生活できる社会というのはさすがです。
ストックホルムからパリ、さらにパリからコペンハーゲンへの帰りは長距離バスを使いました。ヨーロッパは一般に鉄道の料金が高く、各種のパスをうまく使えば便利ですが単発ではかなり割高になってしまいます。割安な旅行手段として長距離バス網が発達していて、乗り継げば大抵の所に行けます。デメリットはもちろん、時間がかかることです。ストックホルム~パリの所要時間は30時間でした。途中2回ほど乗り換え、デンマーク、ドイツ、ベルギー、ルクセンブルクを経由しての大旅行でした。
今でも北欧各国はそれぞれ独自の通貨がありますが、当時はまだ共通通貨のユーロが導入される前で、全ての経由国で通貨が違いました。休憩で止まる場所にある売店ではドイツマルクかフランスフラン、あるいは米ドルあたりなら使えたとは思いますが、レートはよくありません。両替はどこでも出来ますが、一々手数料がかかります。予算の余裕もなかったので、基本的に経由地ではお金を遣わないことにしました。出発前に大きな塊のパンと2リットルくらいのペットボトルの水を買い込み、なんとか30時間を凌いでパリに到着しました。
パリでは知り合いのアパートに泊めてもらえたので、1週間ほど滞在しましたがほとんどお金を遣わずにすみました。ルーブルもエッフェル塔も外から見ただけですが、それなりに観光も出来ました。オシャレな上流パリジャンの生活とはまた違った、人口的には多数派の人達の生活を体験できたことはそれなりに有意義だったと思います。

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