ネットワーク工事

投稿者: | 2015年4月3日

最近の若い人はフロッピーディスクを見たことがない、という話自体が既にかなり古くなってしまっている2015年現在、イーサネットケーブル(LANケーブル)も馴染みのないものになりつつあるという話を聞いて、試しに我が家の中学2年生に聞いてみたら案の定なぜネットに繋ぐのにケーブルが要るのか理解していなかった。彼らにとって、インターネットとはWiFiで繋ぐものらしい。
既に技術自体が廃れてしまっているフロッピーディスクと違って、LANについては家庭内限定ならともかく、オフィスや工場の使用場所が固定された端末、サーバーなど信頼性が要求されるところのネットワークが全て無線化されることは、近い将来にもおそらくあり得ない。中学生が知らなくても実害はないだろうが、社会に出るまでには理解しておいた方がいいだろう。

というのはあまり関係ないのだが、週末に太郎にも手伝ってもらって新居のLAN工事をした。工事と言っても既に配置されているCD管(空配管、正式には可撓電線管)にケーブルを通して端末処理をするだけだ。これが、結構苦労した。
自由設計の注文住宅なら予めネットワーク設計をして全ての部屋に配管または配線をしてもらっておくところだけど、建売なのでCD管が配管されているのは実質2部屋だけだった。10年前なら全ての部屋に電話線のモジュラージャックがあっただろうけど、今時の建売住宅なので住宅内LANは標準かと思っていたらそうでもないらしい。パソコンに限らず、家庭内で使うような情報機器はプリンターやメディアサーバーのようなものまで大抵WiFiで繋がるようになっているので、有線LANの需要はむしろ低下しているのだろうか。全ての部屋にTVアンテナの同軸ケーブルが配線されているのはむしろ無駄なんじゃないかと思うけど、私はTVをほとんど観ないからそう思うだけで、一般的には全ての部屋でTVが観られるのは私が思うよりも大切なのかもしれない。
我が家は情報通信機器に関しては「一般的なご家庭」ではないので、広帯域の有線ネットワークは必須だ。引っ越し前は天井際に沿ってCat5eのイーサネットケーブルを5本束ねて配線していた。PCのNIC、スイッチングハブなどは全て1Gbps対応にしている。
新居では、外部とのゲートウェイになるモデム兼ルーター(兼WiFiアクセスポイント)、NAS(ストレージ)、ホームセキュリティその他各種サービスの接続端末などが全て1カ所に集約できるようになっている。だから当面はCD管が配管されている2カ所に1本ずつケーブルを通せば当面は問題ないのだけど、将来拡張したくなった時にまた苦労して配線工事をするのは嫌なので、最初から通せるだけ通しておくことにした。ケーブルはCat6を選択した。機器側が対応すれば10Gbpsまで対応できるので、10年くらいは陳腐化しないだろう。
配管されているCD管は16φ(内径16mm)だった。普通は1本しか通線しないのだろうから、建売としては妥当な選択だと思う。このCD管に、外径が6mmほどあるCat6のケーブルを3本通すという無謀な計画だ。計算上はもちろん可能で、既設配線のない空配管の状態で3本まとめて通せば十分に通るはずだ。余裕のない施工になるので、専用の通線用呼び線も買っておいた。
ネットワーク機器の集約場所の方は、ケーブルテレビやホームセキュリティの業者が設置工事をした時にパネルを外したままにしておいてもらった。行き先の部屋の方は、片方は実は配線したいのとは別の部屋に配管されているのだが、壁の反対側が目的の部屋なので、CD管を通して一旦ケーブルを通し、そこから壁の裏側に回して通線することにした。もう片方はちょうど使いたい位置に配管してくれていたので、こちらは比較的簡単な工事だ。本当はさらに別の部屋にも配線したくて、自分でCD管を追加配管することも考えたのだが、実際に床下と天井裏を確認してみたら思った以上に断熱材がぎっしり詰まっていて、壁の中に追加でCD管を通すことは早々に諦めた。
まずは難しそうなところから着手する。配管経路が分からないので長さも不明なので、通線ワイヤーを通した後に目印を付けて一旦引き抜き、その長さに余裕分を加味してケーブルの長さを決め、それを3本用意した。改めて呼び線を通し、3本のケーブルを束ねたものに梱包テープでしっかりと固定する。呼び線を引っ張りつつ、反対側ではケーブルを束ねて押し込みながら進めていったが、最後1mくらいで何かに引っかかってそれ以上進んでくれない。何度か試し、入れる向きを反対にしてみたりしてもどうしてもあと数10cmが通らず、3本の通線を諦めて2本にしようと思ってケーブルを引き抜いた時、木ネジが1本、固定しているテープについてきた。コンセントボックスを柱に固定している木ネジと同じ寸法で、別の部屋では2本で固定しているところを当該のボックスは1本しかなかったので、固定する際にネジを配管の中に落としてしまったのだろう。
ケーブルを1本だけしか通線しなければ、木ネジが1本落ちているくらいなら引っかかりもせずに通るのかもしれない。今回は3本まとめて通線したので引っかかったのだ。うまく取れたからいいけど、そのままにしておくのは頂けない。施工会社にはクレームを入れておいた。
落ちていた木ネジを取ると、あっけないくらい簡単に3本の通線が完了した。
コンセントボックスが開口部の少ないものだったため、壁の反対側にケーブルを通すのには更にもう一苦労したけど、何とか面倒な方の通線は完了した。
続いてもう片方のCD管にも通線する。こちらは直線距離も短く、通すケーブルも2本でいいので比較的簡単だった。呼び線ワイヤーを入れてみると直線距離から想像するより随分長い経路だったけど、特に問題なく通線できた。
太郎に手伝ってもらったのは通線までだが、LAN工事はブツ切りのケーブルを通しただけでは終わらない。ケーブルの端末にコネクタを接続してコンセントプレートに綺麗に納める端末処理が必要だ。せっかくなので全部LANコンセントにして綺麗にしたかったのだけど、集約側の方は2口しか空きがないところに5本も配線したので、どうがんばってもコンセントプレートには収まらない。普段は扉を閉めておく棚の中なので、1口分のパネルを外してそこから5本のケーブルを出すことにした。部屋の側も、コンセントプレートのスペースはあってもボックス内のスペースには意外と余裕がなく、LANコンセントを2つ付けるのは無理だった。2本配線しているところはコンセントを1口付け、もう1本はケーブルをそのまま出して延長コネクタでPCその他と接続することにした。
LAN工事が終わらないと作業スペースを確保するために片付けもままならないので、ようやく工事ができてほっとした。専門の業者に頼めば数万円程度で綺麗にしてもらえるので、掛かった手間を考えると自分でやる意味がどこまであるのかは微妙なところだ。

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