しばらく海外出張がなかったが、今年は今月末にフランス、帰国して数日後には今度はアメリカと出張が続く。今回は海外で使う携帯電話、具体的にはSIMカードについて書いてみたい。
携帯電話が通話のためだけであった頃なら出張中くらいは繋がらなくてもそれほど不便はなかった。特に時差のある国だとどうせ時間が合わないので、メールによる連絡だけで十分だったのだ。ホテルや日中の用務先(会議場など)ではWi-Fiが使えるのが10年以上前から普通なので、緊急連絡用に音声通話のローミングさえしていればデータ通信が使えなくてもホテルと会議場の往復に終始する私の出張パターンでは今でも実際の所それほど困るわけではない。
ただ、空き時間に少し街をぶらぶらしてみたり、ちょっと観光もしてみたりということを考えると出先の路上でもいつでもネットに繋がって、地図サービスが使えたりするとありがたい。まだiPhoneが世に出る前、スマートフォンと言えばNokiaかBlackBerryかと言われていた頃にNokiaが提供していたNokia Mapsという地図サービスがとても便利で、何より素晴らしいのはこのサービスは事前に地図データをダウンロードしておくことでオフラインでGPS地図が使えたのだ。日本国内では残念ながら肝心の地図データがスカスカだったけど、ヨーロッパ主要都市ではとても使いやすかった。
今でもスマートフォン向けにオフラインで使える地図アプリは色々あるが、使い勝手ではAppleやGoogleの地図サービスに遠く及ばない。今回の出張はどちらもレンタカーを使っての移動があるので、カーナビ代わりにGoogle Mapsが使えることは必須なのだ。
なお、データローミングがバカみたいに高額で青天井だった時代も今は昔、最近では何も設定せずそのまま使っても1日3000円程度の定額で使い放題の事業者が多い。出張であれば通信費は経費なので普通はあまり気にもしないだろう。私も会社から支給されているiPhoneをそのまま使えば何も考える必要はないし、社内でもだれもそんなことは気にしていない。
ところが身に染み付いた貧乏性というか、毎回少ない予算の中から無理やり出張旅費を捻り出している事情もあって、たかが通信費と言えども10日間で3万円も気前よく払うのは心苦しい。個人旅行では安く上げる方法を色々試して知っているだけに、無駄は許せないのだ。
ということで、今回も自分のスマートフォン(iPhone)にプリペイドSIMを入れて利用することにする。社給のiPhoneには社外から電話が掛かってくることはまずないので持っていかなくてもいいくらいだけど、一応持っては行くことにする。ただしデータローミングはオフにして、着信も自動転送でIP電話に転送し、自分のiPhoneのアプリで受けるようにする。社給のiPhoneはPCを使わなくても日々の承認なんかの社内手続きができるようになっていて便利なのだが、これはWi-Fi環境だけで使うことで問題ない。
まずはフランスだが、大手やMVNOなど色んなサービスがあるみたいだが、最近はセキュリティ対策で本人確認が厳格化されているらしく、プリペイドであってもID等の登録が必須になっていて、基本的に開通作業は店舗でしかできないらしい。オンラインでも手続きできるのはMVNOだけで、その中ではLyca Mobileが良さそうだ。SIMカード自体は空港の雑貨店で売っているようなので、空港で買ってホテルでゆっくり開通作業をすることにしよう。10日間ほどなので容量は1GBもあれば十分だろう。通信環境があればIP電話アプリが使えるので通話はできなくても困らないと思うが、SMS(あるいはiMessage)は使いたいので通話も可能なプランを選ぶつもりだ。
リヨンで1週間の会議の後、翌週の月曜日にはフォンテーヌブローで打合せがある。パリからレンタカーで移動することになるので、その時にはGoogle Mapsが使いたい。それも含め、通信費は25ユーロ程度までで抑えられると思う。
一旦帰国すれば次の週には今度はフロリダだ。アメリカはヨーロッパ以上に選択肢が多く、本人確認もそれほど厳しくない。出国前に日本でSIMカードを受け取って開通までしておけるサービスもいくつかあって、今回のように目的地の空港からすぐにレンタカーで移動したい場合には助かる。アメリカに赴任している同僚から教えてもらったKDDIのH2Oというサービスを使うつもりだったが、正規の申し込み方法はなんとfaxまたは郵送で申込書を送付、SIMカードが届いてからwebでトップアップやアクティベートを行うという中途半端なものだった。イマドキwebで完結しないなんてあり得ないだろうと調べてみると案の定Amazonでも扱っていた。AmazonではSIMカードだけでなく、初回チャージがセットになったものも扱っていて、さらにLyca Mobileでも似たようなサービスがあってより手頃な値段だったのでそちらを利用することにした。開通はアメリカでしかできないようだが、乗り継ぎの間にできるだろう。T-Mobileのネットワークを使うようで、エリアの広さはAT&Tのネットワークを使うKDDIには及ばないかもしれないが、前回のフロリダ出張でもT-Mobileを使ったので訪問先のエリアが問題ないことは分かっている。こちらも30ドルまでで収まりそうだ。
(書きかけだけどとりあえず公開)