数列

投稿者: | 2010年5月19日

算数も4年生になるとだんだん難しくなってきて、数列なんてものが登場します。小学校で扱うのはせいぜい等差数列とその和くらいのものでしょうが、数学になると漸化式だの極限だのが出てきて、ここらで数学嫌いになる人も多いでしょう。たろ父は数列は比較的好きだったと記憶しているのですが、実生活ではほぼ縁のないものだけにほとんど忘れてしまっています。最近では「ダ・ヴィンチ・コード」でフィボナッチ数列が出てきて「あぁ、昔聞いたことあるぞ」と思いつつ内容を思い出せなかったりしました。
実生活でほぼ無縁とは言うものの、実は極限の考え方なんかは色んな所で使われています。単純なルールの組み合わせを限りなく繰り返した場合にどこかの値に収束するのか、あるいは発散するのかを考える場合で、例えばある人間の集団で血液型のABO分類の割合を仮定し、その集団内で無造作に交配を繰り返した場合その割合がどう変化するのか、なんてことを考察しようとすると、数式で表して複雑な計算で極限値を求める必要があります。全然一般的じゃないだろ、という批判はさて置き、コンピュータの無かりし昔は遺伝学以外にも経済学とか物理学とか色々なところで数列の極限計算は必須だったのです。
もうちょっと身近な例を探すと、例えば1学年4クラスの学年でn年間(n=1~6)一度も同じクラスにならない人数の割合とか、逆にある人とn回同じクラスになる確率を考える時も数列を使います。
実学の世界では現在はほぼ全て計算機シミュレーションで置換えられていますが、n=6程度の簡単な計算でも数式を解くよりはExcelで計算した方がはるかにラクです。数列のルールをセル参照の数式で表すことさえできれば、ズーっとドラッグするだけで一瞬で計算でき、収束する場合は百行程度ドラッグすればほぼ傾向を知ることができます。全く便利な世の中になったものです。
たろ父は大学生の頃はExcelの使い方を知らなかったので漸化式を立てて収束計算をやったりもしましたが、別に専門の勉強で必要だったわけではなく、これってどうなるんだろう、という好奇心で計算してみるだけでした。ま、マニアックというかオタッキーというか、一般的ではないでしょう。微積分なんかについてもよく言われることですが、専門家以外は実生活で何の役にも立たないことをほぼ全ての子供に勉強させることに何の意味があるのかについては議論のあるところでしょう。たろ父自身は微積分にしろ数列にしろ広く国民が理解することは大いに意味があると思っていますが、何の役に立つのかさえ理解できないのならやるだけ無駄かもしれません。
何というか、数学の知識というのは結局科学を理解する基礎であって、みんながある程度科学を理解することで、例えば「誰それが遂に永久機関を発明した!」とか「地球温暖化は実は嘘だった!」みたいな報道に惑わされることが少なくなり、明らかにおかしな「科学記事」を厚顔無恥に掲載してしまうメディアが淘汰されると、世の中少しだけ住みやすくなると思うのです。

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