いやもう、夏はアホみたいに暑いし冬はバカみたいに寒いし、間の春と秋が気付かないうちに過ぎてしまうし、ハリケーンも台風もパワーアップしてるみたいだし、エル・ニーニョとかラ・ニーニャとか、地球はいったいどないなっとんねんと。温暖化で海面が何cmか上昇したらあっちもこっちも水没するらしいし、こらえらいこっちゃ。そらサミットでも開いて、排出権取引でも何でもやって、今更でも何でもCO2やらの温室効果ガスは削減せなあかんやろ。
と、いうのが近年国際的な共通認識となっていると思う。それはもう全くその通りであって、CO2に温室効果があるのは間違いなく、産業革命からこっち人類が化石燃料を燃やしまくっていて、更にその度合いが加速度的に増加しているのも事実である以上、早急に何らかの手を打たないとエラいことになる。どれくらいエラいことになるのかは、実のところなってみないと分からない。
環境保護団体の人からは怒られそうだけど、ここ数百年の温室効果が地球規模の気候変動に影響を与えているかどうかは科学的には証明されていないという話があって、実際に最近の異常気象や平均気温の変化を温室効果だけで説明することはできないらしい。一般人の感覚としては、そんなこと言うたかて実際におかしなっとるやないか、科学者ちうのはアホばっかりか、研究室に籠もってデータ弄くりまわしとるばっかりで現実の世の中を見てない変人ばっかりなんか、というのが正直なところだと思う。私は科学者でも何でもないただのエンジニアだけど、技術者というのもそうでない人からは同じような傾向で見られることがあって、まあ当たっている部分もあると思う。そこは認めた上で、今日は敢えて世間の感覚に逆行する事を書いてみよう。地球温暖化って、実は大したことないんちゃうん、と。
以下は今日職場で聞いた地質の専門家の話の完全な受け売りなのだが、地球の気候というのは色んな周期で周期的に変動しているらしい。最近で言うと5000年ほど前に一つのピークがあって、当時の海面は今より数メートルも高かったらしい。5000年前というと日本では縄文時代だが、大阪平野で言えば現代の大阪市はもちろん東大阪あたりまで海の中で、生駒山麓あたりに海岸線があったことになる。それ以前には10万年ほどのサイクルで氷期が何度か続いている。氷期のなかにも小さなサイクルがあって、気温の谷では海面は今より数十メートル低くなっていた。更に前、100万年前位より以前になると地殻変動なんかもあって海面水位は今より100メートル以上低く、大阪湾は完全に陸地で瀬戸内海もなく、紀伊水道から淡路島、四国のあたりが海岸線だったことになる。地質屋さんの時間感覚というのはかなり独特で、「それはここ60万年位の、比較的最近の話ですね」なんてことを平気で言う。それくらいの壮大なスケールで見ると、気温変化にせよ海面上昇にせよ、あるいは異常気象にせよ、直近100年位の変化なんて小さなサイクルの中の通常の変動でしかない。人類がこの先何百年かの生活をちょっとばかり楽にするには温暖化ガス削減の努力も少しは有効かもしれないけど、何千年か先まで考えたら誤差の範囲に入ってしまう気もする。
人類が地球上に出現してから300万年程度。46億年前の地球の誕生から現在までを24時間の1日に例えると、23:59を過ぎて最後の1分弱を生きているに過ぎない。一生懸命努力しても何もしなくても絶滅するときはするんだろうし、その時期が数万年延びたって早まったって今生きている我々にはあんまり関係なさそうだ。
それはともかく、エコロジーは大切だし、私もちゃんと努力している。私にとって重要なのは子孫がいるかどうかも分からない数千年後ではなく、太郎やその子供たちが生きるべき今後100年程度、地球の歴史の中ではほんの刹那でしかないこの瞬間なのだから。