ひみつのまち、というのは、太郎の想像世界にある街です。よく話をするようになったのは4歳くらいでしょうか。当初は明確なイメージはなくて、現実世界で思い通りにならないことを「ひみつのまちでは○○やねん」という具合に、ある意味現実逃避のためのシェルター的な役割だったと思います。しばらくすると、現実世界で聞き覚えたことを発展させてひみつのまちのイメージがどんどん膨らんでいき、具体的なディテールが構成されていったようです。
太郎の知識や気分によって毎日その姿を劇的に変え続けるひみつのまちですが、現時点(ゆうべ太郎が風呂の中で語ったもの)の様子を紹介しましょう。
ひみつのまちは木星の第2衛星、エウロパにあります。地球との交通はロケットまたは銀河鉄道を利用します。銀河鉄道はもちろん蒸気機関車タイプの、コンピューターのクセに妙に人間チックな機関車と変な車掌さんがセットです。どうでもいいけど「999」を「スリーナイン」と呼ぶのは無理があると思います。トリプルだろ、普通。また、ロケットは垂直に発射するのではなく、空港の滑走路を水平に滑走して離着陸するそうです。尚、太郎は空港の設計にも携わっています。ちなみに、「くうこう」という一般名詞を覚える前は「かんくう」が飛行場一般を指す言葉として用いられていました。
ひみつのまちの学校は8学年制で、太郎はこのあいだ7年生になったそうです。担任の先生は変な名前(聞いたけど忘れた。とりあえず日本人っぽくない)の男の先生で、学校が休みの日は飛行機のパイロットとして働いています。休みはないのかと聞くと「え?よると、ゆうがたはやすみやで」とのことですが、それは労働法的にかなり問題があると思われます。また、小学生(なのか?)の太郎も様々なサイドビジネスを持っていて、前述の空港設計技師に加えてマッサージ師、消防隊員、何か知らんが「いらっしゃいませー」と言う仕事など、なかなか忙しそうです。
ひみつのまちで一番偉い人は「しゃちょうさん」です。最近ようやく車掌さんと区別が付くようになりました。そんなことより何故に社長なのか興味のあるところですが、今のところ不明です。太郎はよく何かのリーダーに選ばれるのですが、それらはみなこの「しゃちょうさん」の任命によるものだそうです。ひみつのまちで絶対的な人事権を握っているその「しゃちょうさん」はどんな人なんでしょうか。太郎の話からはなかなか具体的なイメージを掴みにくいのですが、とりあえず玉座に座って頭には王冠を頂いているそうです。王様?
ひみつのまちには色々と変わった生き物がいます。ポケモンの影響を受けたものが多いようですが、どっちかって言うとバケモンに近いのもいそうです。たいていは太郎と仲良しですが、中には悪いのもいて、やっつけたりすることもあるようです。
通貨は日本円が流通しているようです。物価は高いのか安いのかよく分かりません。100円未満のものから億単位まで幅広い価格帯がありますが、千とか万の単位は存在しないようです。ちょっとした交渉で億単位のものが数百円になるスーパーディスカウントがある一方、一夜(というか一瞬)にして物価が数百万倍になる超ハイパーインフレーションも頻発する恐ろしい経済ですが、なぜか安定しているようです。
他にも色々あるのですが、今覚えているのはこんなところです。また機会があればレポートします。