男の子だからなのか、単なる個人的嗜好からか、太郎は「科学」に対する興味は旺盛で絵本などもどちらかと言えば図鑑に近いものを好む傾向がある。「体の地図帳」のような本(子供向けのものではない)を熱心に見ている事は以前にも書いた気がするが、一見して分からない何かの「しくみ」を分かったつもりになるのが楽しいというのは理解できる。
昨夜、大好きなハンバーグをもりもり食べながら得意そうに「いまな、これ、しょくどうをとおってるねん」「そろそろ、ちょうや。はじめは、しょうちょうやで」などと講釈を垂れていた。「ほら、もうすぐだいちょうやで」とか言うので、胃での消化にはそれなりに時間がかかること、小腸はとても長く、ゆっくりと栄養を吸収することを説明した。どうも納得できないといった顔で、太郎はこう言った。
「だって、うんち でそう」
ま、それだけたくさん食べれば押し出されもするだろう。